おもろいオッサンの話

電車通いが長くなると、いろいろな事態に遭遇します。最近ではJRもよく止まるので、駅で何十分待ちなんてことはよくあります。ケンカするやつ、手の皮をむいてはピンピン飛ばす変人、車内でマニキュアを塗って周囲にシンナー臭をまき散らすバカ女などいろいろですが、やはり多いのが酔っぱらい。たいていの場合はうるさいかもたれてくるなどの大迷惑ケースですが、しばらく前に乗り合わせたオッサンがなかなか味わい深くおもしろかったのでご紹介。2011年1月の話ですが、忘れるといけないので。

その日は電車が遅れ、やっと乗り込んで4人掛けの席に座ったのですが、斜め向かいのオッサン(井筒和幸似・60手前くらい)が最初から滔々としゃべっています。向かいの人と知り合いなのかなと思ったら、その女性は全く返事をしていない。ということは...オッサン全部自分でしゃべってるのか。これはえらいところに乗り合わせたなと思いました。当然ワンカップとつまみが横にあり、結構臭うし、このまま荒れてややこしくなったらどうしようと、とりあえずふて寝を決め込みました。

が、耳を塞いでも入ってくる話し声を聞いていると、意外にまともなことをしゃべっている(とはいえ、それなりの声量で「ひとりで」しゃべっている)ことに気が付きました。

 

この話が出たので向かいの女性と話しているのかと...

 

野球が好きらしい。どうせ酔っぱらって手をつかんだりしたんだろ。

 

そりゃ捕まるだろ。

 

ぼそっとこんなことをいうので、誰かが聞いていることを期待しているのかと思い出しました。

 

おっと、そこそこ入ってるなこのオッサン。「こわいで」の内容は一応伏せておきます。

電車が草津あたりにさしかかりました。酒臭い。

 

近くに栗東のJRAセンターがあるので思い出したのかな。まあ年代的に考えても武邦彦の頃でしょう。酒・博打と典型的だな。

 

すぐ吐き出したらしいな。この「ま、ええけど」がおもしろくなって、そこからはほとんどこのオッサンの話を聞くようになりました。

電車が野洲駅に到着。しばらく向かいの女性が携帯で話していたので(それがまた深刻な話)、オッサン黙ってましたが、女性が話をやめるとまた再開。

 

なんだ「安土桃山城」ってのは。

 

そりゃ米原行きだから行くよ。行くに来まっとる。わかって乗ってるんだろオッサン。ま、ええけど(笑)

ここから、「どこそこ行った」話に変わります。

 

へえ。球場の行き方まで教えてくれます。どこどこで降りてどの道を、なんてことも。

 

岩村の出身地も正確だし、酔っているわりには言うことが正しい。かなりの野球好きだな。

 

へえ。調べてみたら駅の蕎麦屋が有名らしく、うどんもある。さすが関西人だけにうどんにしたか。ちゃんと行ってるな。へえ。宗谷うどん食べてみたい。

 

みな知らんやろけど(笑)。知っとるわ誰でも。見たことないだろ、ということを言いたかったのかな。

 

最北端ですな。

 

なに?「樺太は行ったことないサハリンだけや」樺太もサハリンも一緒だっての。おもろいオッサンだな。何と間違ってるのかな。

 

オッサンに心配してもらわんでも。ちょうどこの頃、北方領土にメドべージェフが訪問して問題になっていた頃です。一応ニュースも見てるんだな。

・・・と、ここでこちらの目的地に来たので降りてしまい、続きが聞けなかったのが残念ですが、果たしてこのオッサン、電車賃はあったのでしょうか。大阪くらいで一駅分の切符とワンカップ・つまみを買って乗り込み、終着駅でとっ捕まってるんじゃないだろうか。酒臭くなかったら、もう少し話を聞いてみたかったな。

降り際に少しだけ録音ができたので、ここに公開しておきます。

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