「しあわせな孤独」

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shiawasenakodoku.jpg 2002年、デンマーク映画。デンマークでは8人に一人がこの映画を見たとか。 詳しくはここで http://www.gaga.ne.jp/shiawase/ どうも、私は映画や小説といった物語があるものの感想やレビューを書くのが苦手だ。 物語は見たり読んだりした後、刻々とめまぐるしく感じることが変化してゆく。 考えさせられたり、思いめぐらせたり、音楽と違い雰囲気や直感だけでは表現できない深いなにかがあるし、この時点でその物語の全てを言い切ってしまっていいものかと思い悩むうちに月日は過ぎる。 そして、物語はだれかに伝えたいというより、自分だけのものにしておきたいと思わせることが多い、音楽にもそう感じさせられるものはあるけれども映画ほどではない。 「しあわせな孤独」は事故で全身不随になった男性(ヨアヒム)とその婚約者(セシリ)、そして加害者の女性とその夫とが織りなす複雑でせつない物語。婚約者が半身不随になるということろからストーリーが展開されるあたりやはりラース・フォン・トリアーの「奇跡の海」を彷彿させるけれど、この映画の場合はもっと現実味を帯びている。
日本人的な感覚から言えば、婚約者がどんな障害を負ったとしても「私はあなたの手足になります」と一生介護をしてゆくのが一番の愛と解釈することが多いと思うが、そこはお国柄の違いか不能になってしまう=恋人や夫婦ではいられないということを意味しているようだ。 そのあたりに軽い違和感を覚えつつも、登場人物の一人一人の心象が痛いほどに伝わってくる、全てにおいてハッピーエンドがありえないように、絶望もまた完璧な形では存在しない。病院のベッドで横たわるヨアヒムが最後に「僕たちはついてなかったんだよ」と軽くほほえむ。恋人ではなくなった二人にもしかしたらこれから友情が芽生えるのではないかという希望をほんの少し感じもさせ、完全な悲劇としては終わってはいない。 しかし、最近見ていいなあと思う映画は北欧のものが多い。 音楽と同じですね。

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